シクロクロスのための機材選び


フレーム

 走りのタイプにもよりますが、ロードレーサーと対称的なフレームがよいでしょう。
 つまり剛性が低いもの。ショックの吸収性が優れているものがよいと思います。(耐久性も)
 アルミのフレームは剛性の高いものが多いので、乗りこなすのは結構難しいと思います。

 クロスの場合、路面もよくないし、けっこうギヤ倍数をかけて
踏みますから、剛性がないほうが楽です。

 剛性がないフレームは機械的にいうとパワーロスしそうですが、
 自転車のエンジンは人間なので、あまりにも硬いフレームだと
 脚に反発がきて、脚が重くなった気がして、軽いギヤにチェンジしたくなります。

剛性のないフレームだと、ある程度力が逃げますから、脚が重く感じにくいので
どんどん踏んでいけるというわけです。

硬いフレームは回転型の選手、柔らかいフレームは踏むタイプの選手におすすめ
といったとこでしょうか?

硬いフレームを使ってクランクの剛性を落としたものを使うという手もありますが、
クロスではあまり効果がないでしょう。(ロードだと試してみる価値はありますね)


  駆動系パーツ
 
 ロード系コンポを使用する方法、MTB系コンポを使用する方法、
 それらをミックスして使う方法があります。
 
 シマノの場合変速系統は旧8Sデュラエースを除いて
 7S、8S、9Sさえ区別していれば各種(ロード・MTB)のパーツ
 を混合して使用しても大丈夫です。
 LX、105程度で十分です。

 トップレベルの一部の選手を除いてはMTB系のパーツを使用して
 低めのギア比に仕上げた方が楽しく走れると思います。
 (レースに使わないのであればフロントトリプルも面白いでしょう。)
 
お勧めの例

 

ロード系で組む場合 MTB系で組む場合
チェーンホイール 46または44×39
アウターは入手しにくい
ので旧8S時代のものを
裏返して使用します。

(インナーは9S用を使う
MTBの44×32(トリプルのインナーは外して使います。
しかしチェーン外れ防止のため
走行中にたとえ使わないとしてもインナーがあれば
チェーンウォッチャーの代わりにいいかもしれません。)
BB ロード用 トリプルのインナーをはずして
使うならダブル用BBを使います。
寸法はフレームとの兼ね合いもあるので
現物合わせをおすすめします。
フロントメカ ロード用 
バンド式がおすすめ
MTB用
リヤメカ MTB用  9S用  GSミドルケージ MTB用 9S用 GSミドルケージ
リヤハブ ロード用(130mm) ロード用(130mm)
シフター 105デュアルコントロールレバー 105デュアルコントロールレバー
スプロケット 12〜34T 12〜34T

ホイール
  
 レース用としてはチューブラーホイールの方が軽くてパンクも
 しにくいです。
 400g程度以上の重さのものが強度的には安心です
 しかしチューブラーはリムセメントやメンテナンスが大変ですね。
 
 練習、スペア用にもう1組WO(クリンチャー)のホイールがあると便利ですね。
 
 適度なスポークの張力でショックを吸収させるようにした方がよいでしょう。
 (あまり堅く張らないほうがよい。でも緩すぎてもダメです。)


タイヤ選び
 
 レース用のタイヤとしてはチューブラーが一般的です。
 その理由は、WOに比べて同じ強度のホイールをつくるなら軽量に仕上がること。
 同じ太さ、空気圧ならパンクしにくいことです。
 多少底づきしてもパンクしないからです。(WOならリム打ちパンクしますね)
 
 WO(クリンチャー)ならミシュランがお勧めです

タイヤの空気圧は体重、コース、乗車技術にもよりますが、
2気圧から4気圧くらいが適正範囲といえるでしょう。
(WOは0.5気圧程度高めた方がリム打ちしにくいでしょう。)

なお公式な試合(全日本選手権等)ではタイヤ幅の制限があります。
タイヤ幅35mm以内です。

 シクロクロスおすすめ定番タイヤ

グリフォネーベラルゴ(チューブラー)

 従来のグリフォネーベをパターンそのままで太くしたもの。(約32mm)
 オールラウンドに使える。シクロクロスの新定番タイヤ。
 太さがあるぶん低圧で使用可能。しかし太いタイヤのRとロードリムのR
 が合わないためタイヤの接着には細心の注意が必要である。
 (いいかげんにリムセメントつけると走行中に外れてしまいます)

ミシュランシクロクロススプリント(WO)

 WOシクロクロスの定番タイヤ。30C表示だが32mmの太さでグリーンの
 セミスリックパターン。パターンはドライ用に見えますが、泥でなければ、
 比較的どんなコースでもOK。
 しかしセンターのダイヤ目部分の減りが早いので、練習には向かないかも
しれません。

ミシュランシクロクロスマッド(WO)

 ブロックパターンのクロスタイヤ。砂利道には強いが泥の時は
 多少、泥詰まりします。
 でもそのぶんグリップは良好ですね。クロスに慣れないうちは
 前輪に使用すると安心かもしれません。


 ハンドル、ステム
 
 ドロップハンドルを使用します。(フラットバーは公式戦では使用できません)
 シクロクロスはロードに比べ、ハンドルを高め、近めに設定するので、
 シートピラーの出具合を気にして小さなフレームを
 選ぶとステム選びに大変苦労することになります。

 アヘッドの採用もあまりメリットがありません。(軽量なのはよいのですが、
 ハンドル高の微調整が難しいのと、
 剛性がありすぎるのでショック吸収が悪くなりがちです。)

 ハンドルを高め、近めに設定するのですが、背中、腰、骨盤、肩の角度はロードと
 同じになるようにします。腕のゆとりを多くとるだけの違いです。
 腕を深く曲げることによって高速巡航時のポジションを確保します。
 リーチやドロップの大きいものは、下りでバーの下を持ったとき
 にポジションに余裕がなくなるので注意が必要です。

 ハンドル幅についてはロードと同じ幅でOKでしょう。
 ロードより広めが安心(プラス20mmくらい)という意見もありますが、
 ブレーキレバーを横から持つことが多いため結果的に幅広ハンドルと
 同じくらいのグリップ位置になりますから

 ロードと同じ幅でOKだと思います。

おすすめのハンドル 

日東ニート 104  リーチもドロップも小さく、深い前傾を必要としない
             クロス向きのハンドル。
             幅も10mm刻みで用意されてます。比較的軽量で強度も十分。 



 ブレーキ
 
 カンチブレーキが主流です。
 シクロクロスのブレーキは止まるためにあるわけではないので
 大きな制動力は必要ありません。
 ブレーキは効き過ぎてはいけないのです。シクロクロスのタイヤは
 元来それ程グリップがないのでホイールがロックするような効きのブレーキ
 ではロックした瞬間から自転車のコントロールが
 非常に難しくなるし、そもそもチューブラータイヤのような細いタイヤなので
 ロックさせてはタイヤがもちません。
  なお、ドロップハンドルタイプのレバー比対応のVブレーキもあるようですが、
  安い完成車用のコンポなので入手しにくいです。

 ブレーキレバーの取りつけ位置
 レース中はブレーキレバーを持って走ることが多くなるので、
 出来るだけ高めの位置に取り付けましょう。
 
 変速とブレーキング重視のセッティング
 レース中は下のように横から握る時間が長いから高めにつけます
なるべく高い位置につけましょう。

 

↑ハンドル上部のレバーはテスタッチのエイドアームです。
ハンドルの上を持ってもブレーキングOKです。
テクニカルなコースでおすすめです。


サドルの高さ後退幅
 
高さはロードで特別高くしていなければ、ロードレーサーと同じで良いでしょう。
 後退幅もロードと同じか、若干前に取りつけても良いでしょう。


チェーン外れの対策

もちろん変速機をちゃんと調整しておくことが大前提ですが、
シケインのあとに乱暴に自転車を下ろしたり、ムリなチェンジすると
チェーンが外れてしまいます。

対策としてはこのようにチェーン脱落防止の小物を取りつけます。

または思い切ってシングルギヤにしてしまう方法もあります。

歯のついてるギヤ板を本来のアウターギヤの位置にセットして
外れ防止のリングを両側に取りつけます。

外れ防止のリングは自分でも作ることができます。使用するギヤより
大きな歯を用意して、プライヤー等で歯を折ります。その後グラインダー等
で削ればOKです。


代車について

シクロクロスでは決められたピットでの機材の交換が認められています。
だから、パンクしたとき、変速の調子が悪くなったとき、泥が詰まって重くなったときなどには
自転車ごと交換してしまいます。
 交換するためには替わりの自転車が必要です。これが代車です。

 代車がないと機材交換ができないので大変不利です。
 代車は本番用と同じで自分専用のものが用意できればベストですが、
 サイズが合わなくてもとりあえず乗れればなんとかなります。
(始めのうちはチームで貸し借りしてもいいですね)

 例えばパンクの場合ですが、代車に乗って走っている間にパンクしたホイールをピットクルーに
入れ替えてもらい元の自転車をピットで受け取れば、
タイムロスが最小限に食い止めることができますね。
 慣れない代車に乗っている間はちょっと遅くなるかもしれませんが、
自分で止まってホイールを入れ替えるよりは遙かにロスタイムが少ないはずです。

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